日記 [#545]

日記をつけるように詩を描く
波打ち際の砂浜に
波だけが内容を知るだろう
わたしは私を無くしながら
今日も
日記をつけるように詩を描く
波打ち際の砂浜に
対話 [#544]

なかなか到達できなくなった本当の私に会うために
わたしは私に代価を支払う
そんな日々にいつからなってしまったのだろう
明日が来る幸せと恐怖を感じながら
生きられなくなってしまったのは
わたしは私に出会うために今日も支払いをする
その窓口で笑っている女の歯並びの悪さに
わたしはいつもぞっとしながらも
奥の方の温度を感じ安心を得る
今日はどれだけ歩けるのか
それを考え
わたしは額を決定する
湿った薄暗い赤黒い道を
今日は少し長く歩けそうだ
心よ [#543]

電車に乗りたかった
ただ電車に乗りたかった
事務的な車内放送と
規則的な振動を感じながら
私自身を
その事務的かつ規則的である様に
出来ないかと考えている
予想された時刻に到着し続け
同じ場所を往復する運動も
心よ
今はただ事務的かつ規則的であれ
奴ら [#542]


行くな
行くな
行くな
その感覚
意識からやっと引っ張り出したのに
つかまえることができなかった
意識の裏側にすんでいる奴らに
光を浴びせてみたい
いくつかは消滅するだろう
その時
引っ張り出したことを
わたしは
後悔するだろうか
実感 [#541]

からっぽなんだ
本当は
なにもない
主義や主張や夢さえも
自らが育て持っているものではなく
大きな全体の持ち物だったのだと
手の中に収まるはずもないものを
持つことが出来ないことを
どうしてわからなかったのだろう
からっぽなんだ
本当は
なにもない
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