カテゴリ:一写一想( 116 )

鐘が鳴っているよ [#574]

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鐘が鳴っているよ

私たちの頭の上で


その鐘の音で

木々は揺れて

木々が揺れているので

風が吹き始めている

風は鳥を運ぶんだ

その鳥は船の道標になる


鐘がなっているよ

私たちの頭の上で
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by isshaissou | 2014-04-08 23:08 | 一写一想

わたしについて [#573]

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わたしがことばを知らなかった頃

全ての音がことばだった

ことばを覚えるにつれ

伝わりにくさを感じていた


わたしが泳ぎ方を覚えた頃

泳ぐことが競争にかわった

生まれてくる前の羊水の

心地よさはもう忘れた


わたしがわたしを持たなかった頃

全てがわたしだった

今はわたしだけがわたし

流れる涙にもサインをする
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by isshaissou | 2014-04-05 00:57 | 一写一想

失ってしまった感覚 [#572]

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失ってしまった感覚は

得たいと思っていた経験に変わった

失ってしまった感覚は

得たいと思っていた権利に変わった

失ってしまった感覚は

得たいと思っていた自由に変わった
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by isshaissou | 2014-03-08 10:00 | 一写一想

Affordance [#571]

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心臓の鼓動でわたしは像を結ぶことが出来ない




光軸が定まらず

いまだって

目の前に広がる風景は揺らぎ写り変わる


筋肉の弛緩、小さな呼吸




心臓の鼓動でわたしは像を結ぶことが出来ない




世界を

一度たりとも止めてみることが出来ない目玉を首の上に乗っけながら

今日も歩いている

残像の連続を写しながら



いきているかぎりこの目玉で像を結ぶことが出来ないなら

死んだ目玉で世界をみたい

制止した写真の様な世界が見られるだろうか
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by isshaissou | 2014-02-23 10:07 | 一写一想

空 [#570]

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久しぶりに見た空は

それはそれは

ひろくてひろくて

驚いた
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by isshaissou | 2013-12-01 14:56 | 一写一想

「解決策を示して下さい―原子力発電所事故―」 [#569]

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では、「解決策を示して下さい」

自身に満ちた顔で男が告げる

しかしその解決策を

人類は知らない


誰もが望みながらも解決できない問題に

取り組みけれどうまくいかない姿や成果に


人類は冷ややかな顔で

口をそろえて言う

「解決策を示して下さい」


孵ったばかりのひなの様に

解決策と言う名の餌を貪り食える日を

じっと巣の中で待っている


「解決策を示して下さい」

「解決策を示してクd些細」

「解決さkうお示して下さい」

「解決っさくをしt目hしてくださ尾」

「かいさ決s格ををしてくださ尾」

「解決っさkうをしk眼してムサ歳」

「かいけすつぁくをしめしてくdささい」


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by isshaissou | 2013-11-23 16:35 | 一写一想

黄色いドヴォルザーク [#568]

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現代に大きな不安感と頭痛を感じ

家から飛び出し信号機に頭をぶつけた

コンクリートに寝そべり見上げた先には

黄色いドヴォルザークが伸びていた
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by isshaissou | 2013-11-23 15:43 | 一写一想

わからなかったこと [#567]

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かつてわからなかったことが

わかることがあります

そのとき

かなしみやよろこびを

わからなかったときよりもたくさん

かさねていた自分にきづきました


ふるえる夜にも

あたたかいなみだが目からあふれました

ひとがわたしに手紙をくれました


とうとつに

わかるのです

わからなかった詩に

とても叱られ

そしてとても愛されていたことに
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by isshaissou | 2013-11-09 12:27 | 一写一想

譜面 [#566]

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譜面が次の音を命令している
夜はどうしようもなく朝に向かい
星は圧倒的な距離を踊る

眼前に映し出された映像は
涙の所為でより美しく
譜面から外れた音も耳に心地よい

じっくりと夜を吸い込み
涙を味わおう

譜面が次の音を命令している
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by isshaissou | 2013-09-28 13:47 | 一写一想

物語 [#565]

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静かなアトリエでは

ひとつの物語が描かれている



鉛色のモノクロームの色彩に

一色の赤

その赤は瘡蓋を剥がした時の鮮血の様で

うつろな眼差しの人物にかすかな生を与えている



どうして生きているのか

女性は問い続けている



鳴り止まない心臓の鼓動の速度をあげれば

それは早く止まるのでしょうか



息が切れ

身体から溢れてくるものは

悲しいけれど皆暖かく

だから尚更

その問いは大きくなる



誰かの手を握っては

傷を付けてしまう程に

私の手は荒れていて

いつも血がにじんでいる



かつて

冬の帰り道に

手を繋いだことがあった

暖かいねと

かじかんだ手を包まれながら



生きていてもいいのだと

唐突に感じた



今ではその生に理由を求めている

どうして

どうして



見つかる事のない問いを掲げて

走っている



ずっと前から分かっている

そんなことは分かっている



描かれた女性は

赤い涙を流しながら

雪の降る公園に立っている
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by isshaissou | 2013-09-22 10:43 | 一写一想


わたしの日常をどうぞ、あなたの日常は美しいですか?


by isshaissou

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