カテゴリ:一写一想( 116 )

記憶と時間 [#564]

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記憶が風のように去って

明日を待つ理由もなくなれば

私は空になれるでしょうか


多くの記憶たちが

時系列など関係なく

現れて消えていきます


原っぱに身をあずけ

映画の始まりを待つ時のように

ここはとても静かです


色の変化は時間と関係があるようです


記憶が風のように去って

明日を待つ理由もなくなれば

私も空になれるでしょうか
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by isshaissou | 2013-09-22 10:10 | 一写一想

手記 [#563]

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前略

誰にも奪われる事のないものを

わたしもいくつか持っていたらしい

交換可能なものばかりならどんなに楽だったかと

あれから今日を重ねている



生まれて残る

いままでの昨日

なくなっておくれと願っていたそれらに

救われて笑う事もできる


敬具
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by isshaissou | 2013-09-22 00:42 | 一写一想

秋の初めの風 [#562]

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話したかった人がいる

時間を気にする事なく

同じ秋の初めの風を嗅ぎながら

いままでの後悔や悲しみを

毟った草を風にのせるように

話したかった人がいる
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by isshaissou | 2013-09-22 00:24 | 一写一想

列車 [#561]

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「物語を読み終えた方はお降り下さい」

録音されたアナウンスが停車駅で鳴る

ここで降りた人は3名


列車は金属の摩擦音を立てながら再び走り出す


この季節の始めに読み始めた本はまだ終わる気配はなく

小さな窓から入る風のにおいも次第に変わっていく

列車が進んでいるからか時間が過ぎているからか


少年は遺書を読み続けている


「物語が終わる頃が目的地です」
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by isshaissou | 2013-09-22 00:17 | 一写一想

夕方の生暖かい風 [#560]

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夕方の生暖かい風

死のイメージと死の獲得には大きな距離がある

夕方の生暖かい風

どこかで赤ん坊の泣き声がする

母は赤ん坊に近づく

夕方の生暖かい風

明日のイメージと明日の獲得には大きな距離があるか
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by isshaissou | 2013-09-15 15:06 | 一写一想

アトリエ [#559]

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梅の花が咲くのを待ちながら

鉛筆の芯を削っていた

画面にはわたしがいて

物語の中でも感じるいくつかの不自由さに

いつも自分でも可笑しくなってしまう


お湯を沸かしていたんだっけ

青い菊の入った紅茶の香り

十分に吸い込んでから私はカップに口をつける


どうしてこんなに急いでいるのと

私は声をかけたことがある

風のように去った後だったので答えは聞けなかったけれど
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by isshaissou | 2013-09-15 14:30 | 一写一想

認識 [#558]

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光を反射させた魚は

瞼の裏に影を残し

消えた


ある存在はこのような印象をもってしか

認識できない
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by isshaissou | 2013-08-21 11:46 | 一写一想

Close your eyes [#557]

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「目をとじて

大きな広大な

すきとおった

エメラルドの海を

想像してください」



手紙には確かにその海がはっきり存在していて

光の届かない部屋の中に広がった


目を閉じると四方の壁は消え

どこまでも青がつづいていく


想像することで

どこかへ行けると言う事を

わたしはずっと忘れていた


四方に壁のないこちら側には

自らがつくりだした壁が存在し

それでいて向こう側よりも

不自由であることもあるのだと

そんなことを

知った




目をとじて

あなたのいきたい場所を

想像してください
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by isshaissou | 2013-08-21 10:57 | 一写一想

皮膚 [#556]

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アブラナのにおいが風に運ばれる午後

ランドセルと接する皮膚があまりにも痒いので

少年は下校途中に背中をかきむしっていた


かさぶたがとれ

短く伸びた爪の中に血がにじんだ


その指を鼻先に持って行った時

自らの血とアブラナのにおいが混ざった




少年は

連絡帳の薄いフィルムの中に

かさぶたをいれておいた
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by isshaissou | 2013-04-23 22:35 | 一写一想

政策 [#555]

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大体は結果から改善策が講じられるので

その種が滅びた時に改善策が考えられるという事もあるわけです
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by isshaissou | 2013-02-14 23:32 | 一写一想


わたしの日常をどうぞ、あなたの日常は美しいですか?


by isshaissou

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